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NO.9559   保存鶏の伝承について、印旛湖畔  佐藤瑞雲  2008/02/22
にわとり掲示板に集う〜第三回関東地区にわとり研修会

講師の印旛湖畔先生は30分間に渡り事細かに熱弁盛り上がりました。

保存鶏の伝承について

こんにちは。印旛湖畔こと、近藤と申します。よろしくお願いします。

印旛湖畔のネームは5年前ちょっと早い退職を機に、印旛沼のほとりに小さなログハウスを建て、そこで菜園と鶏を飼い自給自足の生活と、自宅のある東京との2地域生活をしていることに由来します。

最初に、鶏との係わりですが、小学生のころの小シャモとの出会いから始まります。当時の家業は採卵養鶏場でありましたのでえさ代がかからなかったこともあり熱中に拍車がかかったようです。1960年代初頭の養鶏は平飼いからバタリーに移行した頃で個室の白色レグホンに小シャモを抱え見合わせ激しく向かってくる鶏と闘わせるときの小シャモの雄姿と連戦連勝という快挙に自信をつけ勝ち誇る姿に感動しました。相手は身体が大きいとはいえ全て雌なので当然の帰結ではありました。

 その小シャモの雄は、足と首が長く丁度八木戸を小型にした体系でした。雌は極端に小柄で雄の半分ほどでした。この番から雛が発生しましたがこの体質が継承されていたところを観ると固定された小シャモと回想しています。

この頃、繁殖母鶏としてハクレグに参加を呼びかけましたが応じてくれませんでした。そんなことで、最後は若雄1羽が残りました。そこで多くの鶏種を飼育している隣町の老人にあずけ繁殖することにしました。老人も異血種の導入に意欲を示していましたし私も繁殖の名人と尊敬していました。

さきほどの採卵鶏の飼育形式がケージに置き換わる頃、どのような鶏が誕生しているか楽しみに訪ねてみましたが鶏舎はすでに駐車場に置き換わっていました。・・・・・・・

最近の小シャモと称されるものは、土佐チビの体型が主流となって画一化してしまいました。日本鶏標準による種の保存は必要と思いますが、それとは別に多様な系統が嘗てあったことからこれらを存続させたいものと考えています。そこで飼育者の層が厚ければ今でも生息している可能性があります。

普及にあたっての課題は色々あります。ひとつの例として申し上げれば教育の場で飼育されている鶏を見ると形の整ったものと出会ったことがありません。おまけに、あれ足など健康面での問題があります。情操教育のためだけでなく審美眼も養える総合的な配慮があっても良いと感じています。

さて、保存・改良方法については。ひとつは少数精鋭をコンセプトに後継のための補充だけに止め血統を重視し病気に罹っても薬つけでも救い異血種は導入せず自己完結を目指す方法。 
次に、玉石混交という印象で足の長いチャボでも種に使い雛を大量発生させ、初生雛のうちから陶汰を繰り返しよいものを残すという方法があります。

 継承ということになりますと、実用鶏については公的機関と個人愛好家との合作により展開され心配はないと思います。余談ですが公的機関同士の交流は意外にも図られていないと聞いていますので、個人愛好家の果たす役割はおおきいと思います。

一方、その他の鶏種は個人が担っているのが現状です。昨今の飼料の高騰は飼育者の減少や飼育数の縮小に繋がりかねないと危惧しています。幸い本日お集まりの多くの皆様はいち早く配合飼料に頼らない取り組みをされていますので、影響は限定的と承知していますが新たな愛好家の参入による底の厚みには一抹の不安を感じます。

最後に「にわとり掲示板」に集うこの交流の輪を大切にすることは基より、都合で参加できなかった方にも今回の成果をお知らせし気軽に交流できる雰囲気を醸成できるよう一石を投じたいと念じています。また、個人の集合体である各種愛好会の方々とも横断的な交流を図り情報交換を活発に発展的な展開が望まれます。

最後に、私みたいなものにこのような機会を下さいました幹事様はじめ皆様に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。


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