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-------------------------------------------------------------------------------- 業界の結束が重要 2008年の養鶏産業の課題 2008.01.05発行 (コピーですが深刻で有りますね〜)
わが国の養鶏業界が安定的に発展していくためには、国産の鶏卵・鶏肉の地位をいかにして維持・発展させるかである。 その課題の1つは国際化への対応である。少子高齢化と人口減少、経済のグローバル化に伴う激しい流通の変化の中で、消費のパイを国産物と輸入物とが奪い合っている。ただ、鳥インフルエンザの発生による貿易の一時停止や、WTO農業交渉の妥結が延び延びになっているため、養鶏業界の国際化への危機意識は薄れているようだ。今後の交渉で、途上国の関心品目である鶏卵や鶏肉などの関税が引き下げられると、輸入物の攻勢は急速に強まり、グローバル化した流通や外食業界は、原料調達先を一気に海外に向けないとも限らない。それに歯止めをかけるのは、養鶏業界が結束し、国境措置としての現行関税を維持することだ。 コスト低減や生産性をさらに上げるための努力はもちろん、品質と安全性で輸入物との差別化を図ることも必要だ。絶えず新しい設備や技術・ノウハウを取り入れて農場や流通設備を改善し、衛生的な飼養管理でトレーサビリティが確立した美味しい・安全・安心の鶏卵・鶏肉を適正な表示で提供し、真の信頼を確立しなければならない。 第2の課題は、鳥インフルエンザ(AI)対策で、人の健康を守り、安心して養鶏を営むためにも、AIは再発させてはならない病気だ。生産者は、バイオセキュリティの強化だけでは安心できないため、予防的ワクチンの使用を含めた万全の対策が重要だと主張してきた。ただ、この訴えは、農水省や家きん疾病小委員会のワクチンへの理解がなかなか得られず、課題は残ったままだ。万一の場合に備え、官民が信頼しあえる防疫体制を早急に確立する必要がある。 第3には、配合飼料価格や原油価格の高騰に伴うコストアップに対応した販売価格の実現である。 食鳥相場はいち早く回復したが、それはコストの上昇を反映したからではなく、中国産食品への不信などから、加工筋が原料調達を一時的に国産鶏肉などにシフトした結果とされる。3月ごろから始まる販売先と加工筋の契約改定で、加工需要が減少すれば、相場は下がらざるをえないと危惧されている。 鶏肉のような特需がなかった鶏卵は、相場の低迷が続き、経営危機に直面した生産者の悲鳴は日ごとに高まっている。過剰生産が最大の原因であるため、生産の削減は不可避である。問題は誰が、どのように削減するかであるが、それぞれの経営の体力差や取引先との関係もあって、一斉に削減できないジレンマに陥っている。 100万羽以上の大手A社では、取引先と相談し、自主的な1か月繰り上げ淘汰を決め、1月16日に13万羽、2月3日に13万羽の計26万羽を淘汰するとしており、その他の大手も追随するとみられるが、本格的な需給の改善と価格の回復にはしばらく時間がかかるとみられる。「販売に見合った生産」に徹し、当面は自らの経営もさることながら、被害を拡大させないことだ。 検討が始まっているアニマルウェルフェア問題も含め、養鶏業界が安定発展するためには、ある程度業界が結束し、人様から『タマゴ業界は…』とバカにされないようにすることだ。 |